レイテ島における物資の緊急配布レポート

2013年12月2日

                             

11月21日にフィリピンのセブ島に渡り物資を購入後フェリーでレイテ島のパロンポン(PALOMPOM)に渡り、物資を下ろしたのが朝5時。 まだ回りは暗く、車や船の光などで作業を始めました。

港湾は普段は電燈があり明るいのですが、現在は台風被害でレイテ全島の電気は断たれたままでした。

現地のスタッフ20名ほどで大型トラックに物資を積み終える頃、明るくなりアビハオ地区へ向い、アビハオの教会で物資を卸し、小分け作業を始めました。すでに20数人が噂を聞きお米の配布を待っていました。

配布時間は午前10時からと伝えたのですが、山から2時間かけて下りてきたようで、待っていた方がいいとのことで、待ってもらいました。

人が集まってきたので、時間を早め8時30分ごろより時間を早めて配布を開始しました。

1人当たり、米5Kg、塩ずけ小魚、乾燥麺を配給しました。

最初の人たちは朝の4時ごろから待っていたそうです。

お米5Kgを 日本円で換算すると約460円(今回購入価格1Kg39php)今回配布の魚・麺を合わせても、1人当たり600円相当です。

レイテ島、特にアビハオの人件費は、1日150php 350円ほどですから、彼ら住民にとっては1日働いても購入できない量の配布となりました。

初日は800人に配布いたしました。

 

2日目

山に住んでいる高齢者にお米を持って行きました。

今、フィリピン国ではお米等の配給をトラックで回っているようですが、配布については正確な予告は無いようです。

配給の噂だけが先行し、住民にとっては国の配給は、くじに当るかどうかといった様子でした。配給に遇えるのは路面の近くに住居がある人達で、その人達には多く与えられるようで、 山の方に住んでいる人は配給のトラックに遇えず、噂を頼りに路肩で毎日待っているそうです。

私たちの配給米を山村に配達する途中の路肩に多くの住人が配給を待っている光景を横目に通過したのですが、山村で配布を終え、帰る途中、4時間も経過しているにも関わらずまだ多くの人が同じ場所で、国の配給車を待っていました。

人数にして50名ほどでしょうか。我々の車に配布米が残っていたので、現地スタッフのリーダーに今残っているお米を配布してはと提案しましたが、彼らは、待っていれば国の配給米をもらえるので、我々はもらえない他の地区の人たちへ支援しましょうと言われ、教会に戻りました。教会では、多くの人々が山から下りてきていて、我々の配布米を待っていました。

朝から山村に配給に出ていた為、 教会の配布所は閉めて留守にしていました。その間、国の配給車が行かない別の山村の人達が、半日以上、我々の配給の噂を聞き、待っていてくれたので、残っていた物資を配布いたしました。

 

今回用意した物資は、米 6,000Kg 乾燥麺 1200個 乾燥魚 50Kg でした。

2日間で全て配布を完了しました。

 

一段落して 破壊した孤児院をスタッフと片付けていたところ、山から子供たちがリックサックを背負って30人ほど来ました。話を聞くと、山から2時間かけてお米をもらいに来たそうです。

子供たちの年齢は8歳から10歳ぐらい。もう配給米は配布してしまったので手元にはない為、急遽対応すべく、車で30分程かけ町へ行き米を購入しました。町で一番安いもので、米1Kg 当り日本円で166円(69php)フィリピン価格では高いです。 今回の配給米の2倍弱の価格ですが、対応するには、その米しかないため、その米を90Kg、購入して1人3Kgずつ子供のリュックサックに入れて配布しました。

1名学校の先生が引率して来ていました。

この日の噂を聞いたのかは不明ですが、次の日は別の子供たちが来ました。

 偶然に大型のバイクでパンのデリバリーがきたので、持ちきれないほどパンを配給しましたが喜びません。お米が欲しいようで急遽アビハオの村民に事情を説明して、配給したお米を少しずつ返してもらい、子供たちに配りました。

配布物が終了してしまったことを伝え、がっかりして帰る人を見ると、申し訳ない気持ちになってしまいますが、仕方がありません。

その後、教会の前に【今回の配給物資は終了致しました】と張り紙をしました。

 

今回の配給についての反省ですが

日本でいう村長に当たる人が、セブ島に避難してしまっていて、キャプテンが不在だった為、他の村のキャプテンに配布のお知らせなどの依頼をしなければなりませんでした。また、地域・部落の名前などこちらで、急遽作成しなければならず、混乱がおきました。

撮影は、充電式のデジタルカメラを持っていきましたが、途中でバッテリーがなくなり

充電できず写真が撮れなくなってしまいました。

レイテ島は今、電気が無い事はわかっていたのですが、撮れるだけ撮影してきました。

 

余談

山村へ物資の配給をしに行く途中、川で女の子が何かを取っていました。

同行のスタッフに小学校の先生がいますので何を取っているのか聞いてもらいました。

8歳の女の子は貝(日本名 カワニナ)を取って食べるのだと答えました。

5時間かけて500gほど取れていました。

「お米はあるの?」と聞くと、3日間ほどお米は食べておらず、山芋を主食としているということでした。

小雨降る中、8歳の女の子が1人、川で貝を取っているのです。 その子供に私は何をしてあげられるのか?と考えさせられました。

フィリピン人にとってお米は日本同様に主食です。そして日本の消費量の何倍にもあたるお米を消費しています。フィリピンの裕福な家庭ではヌードル・スパゲッティー等は普段の食事として、食べていますが レイテ島のアビハオでは誕生日やクリスマスの年に、3・4回の高級食だそうです。また、豚を飼育していますが、豚は大きくして売るもので食べるものでは無いと言っていました。

 

レイテ島地図

http://tomrich.sakura.ne.jp/leyte.html

 

第二回目は 皆様よりお寄せいただいている衣類関係を中心に配布、一部お米を配布の予定です。 

学校には ペンやノートが欲しいとリクエストがありますので、こちらも配布予定です。

物資はまだまだ不足しています。

衣類や、ペン、ノートなど皆様のご協力をお願い致します。

また、米などの食料物資を購入する資金、支援物資を運ぶ送料に関する支援金も不足しております。少しでも多くのご支援、ご協力をお願い致します。

 

以上第1回目の物資の配布レポートでした。

 
 

 

支援活動報告 一覧

・ 2013年 フィリピン台風被害における支援活動

 ・ 第1回目 支援 フォトアルバム

 ・ 第1回目 支援 「レイテ島における物資の緊急配布レポート」

 ・ 第2回目 支援 (2013年12月24日~2014年1月9日)

・ 2014年12月 洋服の寄付
・ 2015年3月16日~20日 ベトナム、ハナン省

・ 2016年4月 食料寄付  NEW!!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です