第23回日本熱傷学会関東地方会
熱傷 “From A to Z”

会長挨拶

第23回日本熱傷学会関東地方会 会長
日本医科大学付属病院
高度救命救急センター・総合診療センター 教授

川井 真

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 第23回日本熱傷学会関東地方会を主催させて頂くにあたり、ご挨拶申し上げます。伝統ある本学会の会長を務めさせて戴くことは大変名誉あることであり、心から光栄に感じております。

 日本医科大学高度救命救急センターは、1975年日本で最初の救急医療センターとして開設しましたが、最初に搬送されてきた症例が、なんと全身3度熱傷であり、その当時当直していた大塚敏文先生、辺見弘先生、山本保博先生が「何していいやら大変だった。」とよく言っていました。その後1982年東京都は、全国で初めて熱傷救急医療連絡協議会を立ち上げ、施設の充実・登録システム・搬送システムを構築しました。その後、関東における熱傷治療は、常に日本の熱傷治療をリードしながら高度成長とともに進歩し、多くの患者さんが救命され社会復帰できるようになりました。

 近年、社会が成熟するとともに受傷原因、予防、搬送システム、年齢構成、病院でのチーム医療、精神的ケア、機能重視、美容重視、地域支援センター、介護支援、療養施設、リハビリ施設、在宅医療など様々な変化と地域での医療サービスの充実が見られるようになりました。

 以前からも、熱傷治療は多くの医療スタッフが協力することが重要であることを理解していました。しかし病院内の協力だけでは問題解決が十分ではなく限界があり熱傷患者さんに対して真に治癒させているのだろうかと自問自答することもよくありました。

 熱傷治療は、正に発生現場から始まり、病院前の隣人・救急隊対応から、病院内では、救命医、ER医、形成外科医、皮膚科医、看護師、集中治療、手術、PSCスタッフ、家族、精神科医、理学療法士、作業療法士、事務などの協力が必要であり、退院後は、地域医療センター、在宅看護・介護、クリニック、行政など様々なかかわりの中で長期にわたり熱傷からの癒しが行わなければなりません。正に熱傷を負った患者さんが幸せと感じられ最後まで見守れるシステムがゴールなのかもしれません。

 そこで今回のメインテーマは「from A to Z」とさせて戴きました。関東地方会から、このテーマで全国に発信しようではありませんか。

 会員の先生方のご指導ご支援を何とぞ宜しくお願い致します。

 熱傷医療に関わる多くの方々のご来駕を、心よりお待ち申し上げます。